■ベルギーの公共交通機関

・鉄道

 今回のベルギー旅行では、アントワープやブルージュ、ルーベンなど国内の移動にあたって鉄道を利用した。料金も安く、本数も多く、列車での移動は非常に便利がいい。主要都市へ行くICは、だいたい1時間に1本程度はある。
 ベルギーには、タリス号などの国際列車と、国営ベルギー鉄道(SNCB/NMBS)が運行する国内列車が走っている。国内列車とは言え、国境を越えて運行する列車も多く、行き先を見ているだけで楽しい。主要都市間を結んでいるのはIC(Inter City)と呼ばれる長距離列車で、普通列車よりも停車駅が少なく、日本で言うところの長距離特急にあたるものだ。
 先に書いたように、ブリュッセル市内には3つの大きな駅がある。タリス号が発着する南駅(Gare du MIDI)、そしてグランプラスや王宮からも近い中央駅(Gare du Central)、そして近代的なオフィス街に近い北駅(Gare du NORD)である。
 主要な国内列車は、これら3つの駅には全て停車するので、基本的には自分が便利のよい駅を利用すればいい。

 切符は自動販売機もあるが数が少なく、概ね窓口で購入する。駅には時刻表があるのでそれを見れば発車時刻はわかる。窓口で、目的地と片道切符/往復切符の種別、1等車/2等車の種別を言えば発券してくれる。また、全てのICには、喫煙席と禁煙席がある。
 駅に改札はないので、切符を買ったらそのままホームへ上がって列車に乗るだけ。ただし、必ず車内で検札が来る。一度知らずに、2等車の切符で1等車に座っていたら、検札に来た車掌さんに2等車に移動するように言われた(笑)。なお、普通乗車券では途中下車は出来ない。

ベルギー中央駅
   
ベルギー中央駅構内

ベルギー中央駅構内
   
ベルギー中央駅の時刻表

鉄道の乗車券
   
ベルギー北駅の待合室

プラットフォーム
   
間違えて乗った1等車両

ベルギー南駅構内
   


・地下鉄、トラム、バス

 ブリュッセル市内は、中心部の面積が狭く、だいたは徒歩で移動できる範囲にある。その上、地下鉄、トラム、バスという3つの公共交通機関が発達しており、市内の移動には全く困らない。また、地下鉄、トラム、バスの切符は共通である。
 トラムというのは地下/地上を走る路面電車のようなもの。駅は地下鉄と同じで、地下鉄との区別が判然としない乗り物だ。

 ブリュッセルの地下鉄/トラムで戸惑うのは、事実上改札と出札がないこと。切符は紙製だが磁気カード型になっている。地下鉄やトラムの場合「改札機」のようなものがホームへの入り口付近にあるが、別にこれに切符を通さなくてもホームに入れるし、車両にも乗れる。車内にも同様の「検札機」があるが、これも全ての人が使っているわけではない。要するに、ベルギーの公共交通機関は「タダ乗り」できてしまうのだ。これで、人手による車内検札があるというのならシステムは理解できる。しかし、今回の旅行を通して一度も車内検札には遭わなかった。不思議なシステムだ。
 共通チケットは1回券が1.4ユーロ、5回券が6.2ユーロで、これは地下鉄駅にある自動販売機でも窓口でも購入できる。他に10回券や1日乗車券などもあるようだが、今回は購入していないので利用方法など詳細は不明。

 なお、アントワープなど主要都市においても、バスやトラムがあり、基本的にはブリュッセルと同じシステムである。

トラムの車内
   
「検札機」のようなもの


・タクシー

 ブリュッセル市内は流しのタクシーが少ないので、基本的にはホテルで呼んでもらうか、鉄道駅などにあるタクシー乗り場を利用することになる。
 メーター式で料金は安く、日本の半額程度…という感じだ。例えば、南駅(Gare du MIDI)からSt CATHERINE大聖堂の近くのホテルまで乗って約6ユーロである。荷物の多い時などには気軽に利用できる。

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