■パリへ向かう

 パリへ移動予定の朝は、ちょっと早起きして朝食を摂る。特に何時の列車に乗るとは決めていないが、お昼過ぎにはパリ北駅に着きたい。朝食後に、最後のブリュッセル市内散歩に出かける。
 まずは、まだ見ていない「Jenneke Pis(小便少女)」を探す。ブーシェ通り近くの飲食店にある目立たない路地を奥に入ったところに、少女は佇んでいた。まだ朝が早いせいか、格子戸が締まっている。格子戸の隙間から見たJenneke Pisの感想は…特にない。
 これで最後と、まだ観光客がほとんどいないグランプラスの真ん中に立って周囲を見渡し…ホテルに戻ることに。ホテルに戻って、荷造りを開始。別にお土産をたくさん買い込んだわけじゃなし、散らかした衣類などをキャリーバッグに適当に詰め込んで移動の準備はOKだ。

「Jenneke Pis」
   
朝のグランプラス


 チェックアウトを済ませ、タクシーでブリュッセル南駅(Gare du MIDI)へ向かう。タリス号のチケット売り場がわからないので、案内所で尋ね、一番発車時刻が近い列車の切符を購入。今回は行きとは違って2等車だ。ホームへ上がるとすぐに列車が到着、乗り込んだ。
 さて、ブリュッセルに向かう時は真夜中で景色がよく見えなかったが、今回は車窓からの風景も楽しみの1つ。ベルギー、フランスの田園地帯を走るタリス号の車窓の風景を楽しんだ。
 ところで、タリス号は1等車と2等車のシートには大差がない。1等車は座席配置が片側2席ともう片側が1席で通路が広い。2等車は両側とも2席で通路が狭い…ただそれだけだ。食事が出ることを除けば、1等車に乗る意味はあまりないと思う。

タリス号へ向かう
   
タリス号車内

車窓から見えた「原発」
   

タリス号
   
タリス号


 そうこうしているうちに、パリ北駅(Gare du NORD)に到着。時間はまだ正午前である。北駅のホームには、TGVやらユーロスターやらが停車している。それにしても、鉄道の国際駅というのはいいなぁ。発着表示の電光掲示板には、ロンドン行やアムステルダム行、ケルン行などの表示が並んでいる。日本のような島国では、絶対に見られない光景である。
 とりあえずは北駅構内のカフェでコーヒーを飲みながら、国際駅の雰囲気と初めてのパリ訪問(行きの乗換えを除けば…)をゆっくりと味わうことにした。

パリ北駅構内
   
パリ北駅構内

タリス号と並ぶユーロスター
   
タリス号と並ぶTGV

パリ北駅内のカフェで飲んだエスプレッソ
   
パリ北駅の有料トイレ(1ユーロもした)


 さて、パリで滞在するホテルは、ネットで予約したモンマルトル近くの2つ星のホテル。ともかくパリを訪れるのは初めてなので、どんな雰囲気の場所なのか見当もつかない。不安と言うよりは、むしろ楽しみである。モンマルトルは北駅から近いので、タクシーで行くことにした。
 タクシーは、パリ北駅から10分ほどでホテルの近くに到着した。予約しておいたのは2つ星の「Hotel Du Square D'anvers」である。モデム接続が出来ることを条件に、適当にネットで探して予約した安ホテルだ。値段は1泊60ユーロ程度と安い。
 小さなホテルだ。アパートメントのような建物に入り口があり、ドアを入ると狭いロビースペースがある。小さなカウンターにオネーサンが座っている。チェックインをしようと話しかけたら、このオネーサン、なんと英語はまったくしゃべれないのである。
 ともかく45号室のキーを受け取って、2重ドアのクラシックなエレベーターで部屋に上がった。

 10畳程度の狭い部屋にベッドと小さな机がある。でも窓の外を見ると、隣のアパートメントの部屋が良く見える。バスルームのタオルやアメニティもチェック。狭いけど。なかなかよい雰囲気でOKである。さて、問題の電話だが、モデムジャックはない。壁にモジュラージャックもない。電話機は壁から直接出ている電話線に繋がっている。第一、外線の発信方法や直通国際電話の葉新方法などの説明すら書いてない。早速、フロントに降りてオネーサンに話をすると、彼女は「うちのホテルじゃモデムは使えない」と言う。さあ、困った…

 そこで、部屋に戻って電話機をよく見てみた。送受話器部分だけの小さな電話機であり、送受話器には壁から出た電話線がRJ-11らしいコネクタで繋がっている。もしや…ということで、電話機のコネクタを抜いてみると、まさにRJ-11コネクタだ。ってことは外線直通電話が使えれば、ネット接続できる可能性がある。
 フロントに電話を入れると、もうじき英語の話せるスタッフが来るから、こちらから連絡すると言う。10分ほどしてフロントに電話を入れたら、英語が話せるスタッフが電話に出た。彼女に外線の発信方法を聞いた後、このRJ-11コネクタでモデム接続を試してみることにした。
 モデムセーバーを繋いで極性を変えるとグリーンのランプが点いた。恐る恐るノートPCの内蔵モデムに接続してパリのアクセスポイントに繋げると…、やった!ネットに接続したのである。これで安心して、市内観光に出かけることにした。まずは歩いて、ホテルの近くのモンマルトルの丘へ行ってみることに…。

2つ星ホテルの証拠
   
ホテル内の階段

ホテルの部屋から見える隣のアパート
   
ホテルの部屋から見える隣のアパート

ホテルの部屋
   
電話機のコネクタを抜く

モデムセーバーに接続
   
ノートPCの内蔵モデムに接続・・・無事繋がりました


 ホテルから歩いて10分、初めて間近に見上げるモンマルトルの丘には、かなり失望。サクレクール寺院の周辺は、もう観光客と土産物屋だらけ。お昼時だったので適当なカフェでクロックムッシューを食べたけど、高くて不味い。テルトル広場に至っては、観光客を呼び込みながら営業する下手な似顔絵描きと、安っぽいTシャツなどを売る土産物屋で埋まり、観光客でごった返している。日本で言えば、原宿の竹下通り周辺のような場所である。こんな場所はもうたくさんである。

 モンマルトルを後に、その日は地下鉄を乗り継ぎながら、コンコルド広場、シャンゼリゼと凱旋門、エッフェル塔、シテ島、カルチェラタン…と夕方まで市内を歩き廻った。パリの俗っぽい観光地のあれこれを、ここでグチャグチャと書く気はない。デジカメで撮影した写真だけを掲載しておこう。それにしても、シャンゼリゼ通りなんて人生で2度と訪れるつもりはない。

 いずれにしても、パリは…別に面白くもなんともない街である…というのがこの日受けた印象であった。
「モンマルトルの丘」にある「サクレクール寺院」
   
「モンマルトルの丘」よりパリ市内を眺める

モンマルトル近くの「LAMARCK」駅より地下鉄に乗る
   
「コンコルド広場」です

「シャンゼリゼ通り」のカフェ
   
「凱旋門」です

「エッフェル塔」です
   
エッフェル塔のチケット売り場

「セーヌ川」です
   
シテ島の「ノートルダム寺院」です

カルチェラタンのカフェ
   
カルチェラタンの別のカフェ

パリ大学
   



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